奄美群島の自然を次の世代に残すためにできること
「復帰の年に生まれて五十歳になる。東京でカメラマンとなったが二十三年前に帰って来て奄美を撮り続けている。復帰40周年時には「満天の星のごとく」と云う記念写真集を出版した。今年は偶然なんですが九月二十五日に「光と水の物語」と云うCD付の写真集を小学館から発売する。その写真集の印税を奄美の環境保全に役立てる基金にあてるんですよ。くろうさぎ基金という名目でNPO法人化していく。印税は微々たるものだけどイギリスのピーターラビット基金の様に僕が死んでも五十年百年と続く奄美の自然を守るスピリッツを基金という形で残していきたい。僕は東京で挫折して奄美に帰って来て奄美の自然によって生かされたから、少しでも恩返ししたいと思うし、奄美の自然は僕らの世代だけのものでなく五十年百年後の未来の人の物でもあるわけだから。北海道の知床と奄美群島を含む南西諸島がユネスコ世界遺産の候補になった事で環境保全への機運が高まるのではないかと期待している。そう云った意味でも50周年は奄美にとっていい節目となるとおもいますよ」
写真・浜田太
(写真左)「奄美・ネリヤカナヤの人々・村」 写真・浜田太 /発行・南日本新聞社/2,857円 浜田氏が奄美の稲作集落を数年間かけて撮り綴った渾身の写真集。土の感触を感じる一冊。
(写真下)「光と水の物語」CD付写真集 写真・浜田太/発行・小学館/2,850円 本誌の画期的な所は奄美のネイチャーサウンドとして黒うさぎの声や様々な自然の音と写真が同時に楽しめる事。
奄美・島ンチュリスペクチュッ!!
これまで何度も奄美に訪れていたが、奄美をとらえきれずにいた。今回、少しだけ奄美の立ち位置が分かった様な気がした。同時にちょっと取材するだけでは、ひとつの文化圏を到底とらえきれないと痛切に感じた。また訪れたいです。