びあぶれいく
Orion
佐々木千賀子さん 佐々木千賀子さん
ファンタジーは突然やってきた。
「知の巨人」と呼ばれる立花隆氏の秘書、スタジオジブリで企画・原作さがしなどその道のトップの下で仕事をしてきた佐々木さんが今、沖縄で新たな生き方にチャレンジ中! 那覇市内を自転車で颯爽と走り回る彼女がこの地で目指すものとは?
佐々木千賀子さん
● どうして沖縄に?
佐々木 海が好きで二十年前位からよく遊びに来ていたんですよ。それと池上永一さんの本やオバー烈伝なんか読んでて、なんてお年寄りが元気な所なんだろうとリゾートではない沖縄に興味をもったんですね。そのうち、友人が旦那様の転勤でナハに行っちゃって、その友人に老後は沖縄で暮らしたいのよなんて話してたら、その友人が仕事を見つけてくれたんです。それがまた、絶妙のタイミングで、ジブリを辞めて秘書記を仕上げたところだったんですよ。それで、その流れに乗って沖縄にやって来たという感じなんです。
● 移住は一大事ではなかった?
佐々木 私、東京に十二年いたんですが、本当に飽きてしまっていたんです。東京での将来のビジョンが描けなくなってしまっていて、全てにおいて東京での生活が終わりを告げているといった感じがしていましたね。それに、これまでだって流れに乗ってやってきたので(笑)。それと、私ファンタジーが大好きなんです。で、ファンタジーの定義を考えたことがあって、それは、今いる世界とは違う摂理で動いている世界へひょんなことから入っていって、冒険なり、旅なりをして少し成長して戻ってくる。そういったことだと思うんです。移住も同じ、飛び込んだこの世界で、これからやってくるいろんな展開をどうクリアしていくか。もうすでにいろいろな出来事がありましたよ(笑)。
● 困ったことやギャップなどは?
佐々木 東京でバリバリ仕事をやってた人が、ここで仕事をするとイライラすることが多いかもと言う沖縄の友人もいましたが、来てみたらいろんな発見があって、沖縄の深さにびっくりしている状態。来て七ヶ月になりますが、ずっと長い旅をしているような状態で生活しているんです。ネガティブなことは私の周りではまだ起こってません。それどころか模合に入れてもらったり、いろいろ誘ってもらって、土、日もほとんど家に居ませんね。やらないといけないことはいろいろあるんだけど(笑)。
● 現在のお仕事のこと教えてください。
佐々木 沖縄映像センターでは、ドキュメント番組などの企画・提案をするプロデューサーをしています。それと県産業振興公社からデジタルアニメーション制作事業のコーディネートの依頼があって、お引き受けしているんですよ。これはアニメーション産業に従事したいと希望する人材を育成しようというもので、現在産業まつりに作品の出品を予定していて、大詰めを迎えているところです。この制作中のアニメは「海が大好き」というタイトルで、環境破壊について考えさせるもの。でも、そのテーマをいかに教育的にならずにアニメにしかできない表現で訴えられるかがポイントですね。とにかく人材不足と限られた予算のなかで一人ひとりが複数のパートを受け持ち、進めています。このような状況のなかでたくさんの能力を身につけた人材が育ってくれればと思っています。
● 理想とする沖縄暮らしは?
佐々木 海が好きで沖縄に来たのに、結局仕事に追われてるんですね。執筆もしたいし、私ね、すごい時間かかるの書くのに。本当に向いてないんだと思うんですよ(笑)。辛いんです、こま切れの時間では。それで、ま とまった時間をとりたいと思って。本当にお世話になったんですけど映像センターを九月いっぱいで退職することにしたんですよ。フリーになるのはとっても不安なんですけど、安易な方に流れたくないし。やりたいこともいっぱいあるし、いろんな人に会いたいし…。時間ができたら離島に行きたいと思ってるんです。その前に本島をぐるっと回って、そうそう、与那国に行く前にダイビングの免許も取らなくちゃいけないし(笑)。将来的には、海のそばで、犬を飼って、本を書いて暮らしていけたらいいななんて思ってますよ(笑)。大阪にいる母と弟も呼んで、ここで暮らしたいんです。今、二人を説得中というところですね。

海が大好き 立花隆秘書日記 佐々木さん
アニメ「海が大好き」は、佐々木さんと生徒さんたちの涙と汗?!の結晶。音楽は屋良文雄さん、声優に兼島麗子さん、屋良さんの豪華ゲストも加わりました。産業まつりで上映します。ぜひ、ブースへどうぞ! 立花隆氏の秘書として勤めた5年間を綴ったデビュー作。立花氏は楽しげながらも鼻で笑ったとか!?
「立花隆秘書日記」ポプラ社
定価1,500円
「今日は新聞のコラムの〆切なんですけど、まだ書いていないんですよ〜。」と沖縄風の余裕を見せる佐々木さん。
佐々木千賀子 PROFILE

大阪生まれ、1988年小松左京、1993年立花隆両氏の秘書につく。1999年よりスタジオジブリで宮崎駿監督指導のもとアニメーション映画の企画・原作さがしに携わる。2003年沖縄移住。(株)沖縄映像センター勤務。プロデューサーとしてドキュメンタリー制作、執筆活動に取り組んでいる。

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