びあぶれいく
Orion
ビギンにとっても島人にとっても特別な瞬間だった。

NHKのトイレは自動ドアだったのに驚いた!

■NHK紅白歌合戦初出場について。
島袋 日本で一番すごい歌番組だと思って重みは感じた。それよりも初出場の出演者が顔合わせする部屋があって、そこのトイレが自動ドアだったのに驚いた。もちろん初体験だから「いゃ〜俺達すごい所に来てしまったんだなぁ〜っ」とか、さらにその部屋にはコーヒーを入れてくれる専属の人もいたりして、イチイチ感激してました。
上地 ビギンを知らない人は、全国に沢山いると思うし、NHKだから全国津々浦々まで放映されるからすごく良いことだと思ったしそれ以上に、南米とか海外に大勢いるウチナンチューにまで発信できたことがうれしかった。。
比嘉 たまたま時代の巡り合わせにあたったところで紅白に出れたと思う。自分達で紅白にこぎつけたなんて思ってないし、紅白出場を機にさらにがんばろうって感じでもないし、それよりも、自分達の音楽を暮らしの中に届けたいとの使命感を強く持っている。東京や沖縄では、ここ最近のビギンの活動がクローズアップされているけど、その前は10年ぐらい全国をグルグル回ってライブばっかし演っていて、その活動を通してのビギンでもあるし。どちらも僕らのスタイルだから大切にしたい。音楽を作って、自分達の足で音楽を持って、手渡していく事を続けていけば、また時代が回って良いこともあるだろうし、ダメな時も絶対あるだろうし、じっくりやっていきたいです。

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まるで夏の終わり頃に行われる石垣島のトゥバラーマ大会の月の夜を思わせる紅白のステージは、ビギンにとっても沖縄県民にとっても、特別な瞬間となった。テレビには映らなくても、戦後から現在までの沖縄の映像と思いが走馬灯の様に流れる錯覚をおぼえた。(「第53回NHK紅白歌合戦」より 提供・NHK)

■「島人の宝」の歌詞について
比嘉 八重山の子供達に自由に詩を書いてもらって、子供達が何を感じ、思っているのかをくみとってそれをベースに作った。歌を作るうえで「そうだよな、これはあたりまえだよな〜」とシンプルに共感を得る歌詞を作るのが一番むずかしい。フィクションで自分勝手にストーリーを作ったり、ちょっと意味を判りにくくわざと濁して、言葉を羅列していく手法はそんなに難しくない。「島人の宝」は簡潔な言葉で、だれでも分かっ ていた事でも、言われてみればそうだよなって、普通に思える事が何回も聴く内に、だんだんしみ込んでいくような誰にでも伝わる言葉を綴れたので達成感があったし八重山の子供達とビギンの思いがいっぱいこめてあるんですよ。

オモトタケオ2はパーラーのおばさんのために!

■「島人の宝」「オジー自慢のオリオンビール」「オバー自慢の爆弾鍋」を収録したアルバム「オモトタケオ2」制作のきっかけは?
上地 沖縄復帰三十周年とかいろいろ理由はあるんですけど・・・。
島袋 竹富島のパーラーのおばちゃんが一年中BGMで「オモトタケオ」流してくれてて、さすがにおばちゃんが、飽きたから新しいの作ってお願いって頼まれたのが大きなキッカケだよな。すごくシンプルな理由だけど、そこまでオモトタケオを愛してもらえる、カッコつけて言うわけじゃないけど百万枚売れても1〜2回しか聴かれないCDなんかより、たぶん価値は大きいかなって思った。
比嘉 やっぱり復帰30周年は大きかったし、島のオジーやオバーがどう思うかなって不安もあったけど、一番シンプルで自分達が納得できる理由っていうのが竹富島のパーラーのおばさんのために作ったアルバムって事。それが本来の唄のありかたじゃないかと。
島唄が歌えるからいいですねって言われるけれど!

島袋比嘉上地

■島唄をずっと歌ってきた様に思えるんですけど?   
比嘉 最初の頃は島唄をライブでやるとヒンシュクって感じで、わずか10年程前の事なんですけど、今では考えられないほど受け入れてもらえなかった。子供の頃から島唄は身近にあったけど、聴くだけだったし、ヤスー(大島保克)とかユキト(新良幸人)なんかは先祖代々の伝統があって自分とは全然ちがうと思っている。八重山出身だから沖縄出身だからって島唄が歌えるってくくりは違うって思うんですよ。僕が島唄を歌うときには、あまり古典的になりすぎないとか、本土の人が聴いても分かりやすい発言のコブシ回しで歌うとか、割と細かい調整をしながら歌っている。今までデビューしてからオリジナルなものではなくちゃいけないとか、自分の唄にしなくてはいけないとか、歌い方を気にしたり、フレーズの入れ方を気にしたりやってきたんですよね。
島袋 去年は沖縄本土復帰30周年で全国で沖縄関連のイベントがたくさんあって可能なかぎり参加するようにした。
比嘉 とにかく去年は復帰30周年のためにやろうと決めていたから普段いかない所でもできるだけ行くようにした。僕らの世代までなら、沖縄の本土復帰はなんとなく体感していると思うんですね。沖縄の今の子供達や原宿を歩いている子供達に「沖縄は昔アメリカだったんだよ」って言っても分かってくれない。そういう歴史的な事があったことを伝えるのと同時に今は東京から沖縄に簡単に遊びに行ける、海が綺麗で唄もある、今あなた達が大好きな沖縄は、30年前は行くのも大変だったし、外国だった、復帰する事になって皆のモノになったんだと伝えたかった。
■今年のこれからは?
島袋 去年は「島人の宝」とか「オジー自慢のオリオンビール」とかがすごく愛されて、それ以上に愛される曲を作れるかプレッシャーもあるんですけど、がんばって良い曲を作っていきたいですね。
上地 去年いっぱい応援してくれてありがとうって気持ちと、これからも全国で精力的に活動して沖縄に帰ってくるような感じで、6月21日に宜野湾市の野外劇場で3回目となる「うたの日コンサート」をビギン主催で多彩なスペシャルゲストと共に開催しますのでぜひ遊びに来て下さい。
比嘉 6月頃に発売予定のアルバムは沖縄で録音して沖縄発のアルバムにしたい。これからは、沖縄は素晴らしい場所だから、沖縄からどんどん音楽を発信していきたいし、そんな事をウチナンチュー皆で思える様になりたいですね。応援よろしくお願いします。

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B E G I N P R O F I L E
比嘉 栄昇(Vo)島袋 優(G,Cho)上地 等(Key,Cho)。共に1968年生まれ、石垣島出身の3人組。小学生の頃より「竹馬の友」であった3人がそれぞれ上京。1989年、TBS「平成名物TVいかすバンド天国」に出演、いか天キングに輝く。2000年、デビュー10周年を迎える。2001年、沖縄で第1回「うたの日」コンサートをスタートさせる。2002年、「島人の宝」がNHK沖縄の「沖縄本土復帰30周年イメージソング」。 BEGINプロフィール
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